英JLRの通期純損失4.55億ポンド、2期ぶりの赤字に

英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)が12日発表した2021/22年度通期決算の税引き前損失は4億5,500万ポンドとなり、6億6,200万ポンドの純利益を計上した前期から赤字に転落した。半導体不足による完成車の供給制約が響いた。同損失額にはロシア事業に関連する4,300万ポンドの特別費用が含まれる。売上高は前年比7%減の183億ポンドに後退。売上高営業利益率(EBITマージン)は0.4%にとどまり、前年度から2.2ポイント悪化した。

販売台数は小売りが14%減の37万6,381台、卸売りは15%減の29万4,182台だった。一方、全販売台数に占める電動モデルの比率は前年度の51%から66%に拡大した。

第4四半期(1-3月期)の売上高は前年同期比26.1%減の48億ポンド、EBITマージンは2%だった。小売販売台数は36%減の7万9,008台にとどまり、3四半期連続で後退した。

電動化を軸とした長期的なブランド価値向上戦略「Reimagine」に対する投資は昨年度、予定の10億ポンドを上回る15億ポンドに膨れ上がった。

JLRによると、全販売台数に占めるロシアとウクライナの割合は2.5%に過ぎない。戦争の影響については、サプライチェーンの最適化により生産への制約は少ないとしたうえで、将来の商品供給と価格設定について言及するのは時期尚早とした。

半導体の調達問題ついて同社は2023年にかけて段階的に改善するとみている。一方、中国でのロックダウンと、人気モデル「レンジローバー・スポーツ」の代替わりに伴う販売減少により、今第1四半期(4-6月期)に赤字になる可能性があると指摘。その後は販売回復が続き、通期で5%のEBITマージンを確保できると予想する。同社は2025/26会計年度までに10%以上のEBITマージンを達成する目標に掲げている。

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