エールフランスKLMと仏海運大手、航空貨物輸送で資本業務提携

欧州航空大手エールフランスKLMと仏海運大手CMA CGMは18日、航空貨物輸送で長期的な戦略的提携を結んだと発表した。両社の合意に基づき、CMA CGMはエールフランスKLMに最大9%出資し、取締役1名を派遣する。新型コロナウイルスのパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻の影響で世界的に物流の混乱が続く中、両社は資本面を含む提携により、需要増が見込まれる航空貨物市場でシェア拡大を図る。

CMA CGMはマルセイユに本社を置く世界有数の海運会社で、コンテナ輸送ではデンマークのA・P・モラー・マースク、スイスのメディタレニアン・シッピング・カンパニー(MSC)に次いで業界3位につけている。CMA CGMは2021年に航空貨物部門を立ち上げた。

発表によると、提携期間は当面10年間。両社が保有する貨物機10機(エールフランスKLMが6機、MA CGMが4機)と発注済みの導入予定機12機、さらにエールフランスKLMが保有する旅客機の貨物スペースを共同で運用し、規模の拡大による効率的な運航で顧客の利便性を高め、運航コストの削減も狙う。

フランス政府とオランダ政府を含むエールフランスKLMの主要株主はCMA CGMとの提携を歓迎しており、5月24日の株主総会でCMA CGMからの取締役派遣を承認すると表明している。なお、エールフランスKLMは最大40億ユーロ規模の資本増強計画を打ち出しており、CMA CGMの最終的な出資比率は増資の実施状況によって決まる。

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