フォード、独ケルンで制限速度維持に向けたジオフェンシングの実証試験

米自動車大手フォードの欧州法人(独ケルン)は5月24日、ケルン市でジオフェンシングを用いた速度制限制御技術の実証試験を行っていると発表した。交通事故死者数に占める割合が最も高い歩行者や自転車の保護につなげる目的。コネクテッド機能を搭載した商用バン「トランジット」の完全電気自動車(BEV)モデル2台を使用し、時速30キロ規制のエリアで制限速度を自動的に制御する技術の確立を目指す。将来的には商用車だけでなく乗用車モデルにも同技術が導入される可能性がある。

試験車両は特別開発した「ジオフェンス速度制限制御システム」を搭載し、コネクテッド機能とGPS(全地球測位システム)により自車の正確な位置を割り出す。時速30キロの規制エリアなどジオフェンスの情報を受信すると、走行速度が制限速度を上回っている場合に車両は自動的に減速する。これを応用することで、あらかじめ速度制限に対応して低速度に設定したり、一時的な道路工事や時間帯などを考慮して減速エリアを定義することも可能になる。

テスト期間は2023年3月までの12カ月。試験範囲にはケルン市の中心街にあるすべての30キロ制限エリアと、エリア外で選択された区域が含まれる。

フォードはすでに「トランジット」と「カスタム」のプラグインハイブリッド(PHV)モデルにジオフェンシング技術を採用し、電気自動車(EV)専用ゾーンなどに進入した際に自動的にEVモードに切り替わるようにしている。

上部へスクロール