独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下の商用車大手MANトラック・アンド・バス (MAN)は6月29日、ドイツのニュルンベルク工場で電気トラック・電気バス用のバッテリーを生産すると発表した。2025年初めから量産を開始する予定。同計画の実施に向け、今後5年間で約1億ユーロを投資する。生産能力は年10万強のバッテリーシステムとする計画。これにより、350人の雇用を確保することができる。
ニュルンベルク工場では当初の2年半は手作業でバッテリーを小規模生産する。2023年半ばに量産ラインの建設を開始し、2024年末に完了する計画。
バイエルン州政府はエネルギー研究・技術振興の支援措置として、今回の計画に対し2023~2027年に約3,000万ユーロを支援する。具体的には、バッテリーの組み立て、安全性、リサイクルに関する研究やセルの開発などを支援する。
ニュルンベルク工場は約180年の歴史を持つ施設で、これまでトラックやトラックの部品を生産してきた。現在は、ディーゼルエンジンとガスエンジンを開発・生産しており、従業員約3,600人が勤務している。
■ ミュンヘン工場で24年初めに大型電気トラックの生産開始
MANは2024年初めにミュンヘン工場で大型電気トラックの生産を開始する予定。小規模生産の電気トラックは2019年にすでに公道を走行している。純粋な電気バスと電気バンもすでに市場投入している。
MANの大型トラックでは、航続距離に応じて最大6つのバッテリーパックを搭載する必要がある。これにより1回のフル充電で600~800キロメートルを走行することができる。2026年頃に採用する予定の次世代のバッテリー技術では、1回のフル充電で約1,000キロメートルを走行できると見込んでいる。