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2022/7/29

企業情報 - 自動車メーカー

VWの社長交代、ポルシェのブルーメ社長が新社長に

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は7月22日、VWグループの社長交代人事を発表した。2022年9月1日付で現行のヘルベルト・ディース社長が退任し、VWグループ傘下の独高級スポーツカー大手ポルシェのオリバー・ブルー […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は7月22日、VWグループの社長交代人事を発表した。2022年9月1日付で現行のヘルベルト・ディース社長が退任し、VWグループ傘下の独高級スポーツカー大手ポルシェのオリバー・ブルーメ社長が新社長に就任する。

ポルシェは今年秋にも株式公開(IPO)を予定しており、ブルーメ氏は引き続きポルシェの社長も務める。

VWのディーター・ペッチュ監査役会長は今回の発表に際し、ディース氏がVWグループの電動化への転換を推進し、イノベーション力と収益力を強化した功績を称え、感謝の意を表明した。

VWはこのほか、ブルーメ氏がポルシェ社長を兼任することから、VWグループのアルノ・アントリッツ財務担当取締役が最高執行責任者(COO)としてブルーメ新社長の業務をサポートする人事も発表した。

ブルーメ氏はブラウンシュヴァイク工科大学で機械工学を専攻し、1994年にVWグループに入社した。これまでに、アウディ、セアト、VW、ポルシェとVWグループ傘下の様々なブランドで業務経験を積んできた。2015年からポルシェの社長を務めており、2018年からはVWグルプの取締役にも就いている。

■ 突然の社長交代

今回の人事は晴天の霹靂とも言うべき突然の発表だった。メディア報道によると、ディース氏は、VWグループの電動化を進めるなど、戦略家として評価が高い一方で、戦略の実践においては、労働側の支持が得られないなど、指導力や遂行力に問題があったとされる。

小さな軋轢が重なる中で、ソフトウエア開発で監査役会の信用を失い、今回の人事に至ったもよう。具体的には、ソフトウエアの開発でアウディとポルシェとの調整がうまくいかずプロジェクトが危機にさらされたほか、VWのソフトウエア子会社CARIADのソリューションについて監査役会に報告する前に、従業員側の集会で情報を漏らしてしまうなどの失態があり、監査役会の反感を買っていたとされる。

昨年に内部での権力闘争が発生した際には、VWの議決権の過半数を掌握するポルシェ家とピエヒ家がディース氏を擁護していたが、今回の人事では両家の支持も得られず、監査役会で全会一致で決定が下されたと報じられている。

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