独MAN、持続可能性を経営戦略に統合

独商用車大手のMANは7月20日、同社の経営戦略に持続可能性を組み込む方針を発表した。同社は2021年の持続可能性レポートの中で2050年までに実質的な気候中立を達成する目標を掲げている。当該目標の達成に向けては、生産モデルの電動化による脱炭素化が戦略の柱となる。MANのアレクサンダー・ブラスカンプ社長は、2024年初めには大型電気トラックの生産を開始する方針を示している。

MANは持続可能性を組み込んだ経営戦略の実施に当たり、国連が提唱しているグローバル・コンパクト(UNGC)と持続可能な開発目標(SDGs)を指針とする。

MANが排出する温室効果ガスの97.4%は、MAN製品(車両)の利用に因ることから、生産モデルの脱炭素化を推し進める必要がある。

具体的には、2030年までにMANが販売した車両(トラック、バス、バン)の走行1キロメートルあたりの温室効果ガスの排出量を2019年比で28%削減する。また、遅くとも2050年までに、バリューチェーン(価値連鎖)全体における温室効果ガスの排出で実質ゼロの達成を目指す。

■2024年に大型電気トラックの生産開始

MANのブラスカンプ社長は、2030年までに欧州連合(EU)域内で販売する車両の半分以上を電動化する必要がある、と言及する。

MANが2020年に販売を開始した純粋な電気バスのシティバス「Lion City E」は、これまでに1,000台以上を受注している。MANは2024年初めには大型電気トラックの生産も開始する計画。大型電気トラックの航続距離は600~800キロメートルとなる見通し。MANは電気トラックに加え、水素を動力源とするトラックの開発も進めている。

さらに、生産工程における二酸化炭素(CO2)排出量を2025年までに2015年比で半減する。2030年までには95%削減し、削減が難しい残り5%については環境プロジェクトへの投資などを通して相殺する計画。

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