仏政府は4日、国内電力最大手フランス電力公社(EDF)を完全国有化する手続きに着手したと発表した。11月10日に政府未保有株の市場での買い付けを開始する。
政府はEDFの株式84%を保有している。残り株式の買い取り価格は、7月に示した価格と同水準の1株当たり12ユーロ。全株式を取得した場合の取引額は97億ユーロに上る。
フランスは原子力発電推進派の国で、電力の約70%を原発で賄っている。その中核となるEDFは、このところ原子炉のトラブルが相次ぎ、次世代原発の建設が遅れるなど経営環境が悪化し、債務が膨れ上がっていることから、政府は7日に再国有化を発表。エネルギー危機が深刻化する中、完全な経営権を握り、原発増設を進める意向を表明していた。