仏ヴァレオ、EV用熱管理システムで大型受注を獲得

仏自動車部品大手のヴァレオは12日、電気自動車(EV)の熱管理システム分野で9月までに2件の大口契約を含む複数の受注を確保したことを明らかにした。これにより同分野における年初からの受注総額は40億ユーロ以上に達し、前年同期に比べ100%増加している。

9月にステランティスと、次世代型のEVプラットフォーム向けにヒートポンプの供給契約を交わした。最新のヒートポンプは従来品より小型で、統合が容易。電力効率と冷却効率が向上しており、バッテリーの急速充電や車内の快適な空調を可能にする。ヴァレオは2019年から同社にヒートポンプ製品を供給している。

8月には別の欧州自動車大手のEVプラットフォーム向けにエアコン装置とフロントエンドの冷却モジュールを供給する契約を結んだ。両方の技術を組み合わせることで高い静粛性を実現している。

このほか、中国の自動車大手からは9月にスマート・ヒートポンプの追加注文を受注した。同製品はバルブ、ポンプ、熱交換器からなる超小型の完全統合型タイプで、2023年から量産を開始する。

また、バッテリー冷却システム分野では欧州の自動車大手と大型契約を結んだほか、中国と欧州の計4社からは電気ヒーターと、2つのEVプラットフォーム向けの電動コンプレッサーも受注している。

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