独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)・グループは11月1日、カーシェアリング事業「WeShare」を独同業のMILES Mobility(以下、MILES)に売却すると発表した。買収価格については公表しないことで合意している。両社は今後、VWグループ傘下のブランドの電気自動車の調達やVWグループのモビリティ・プラットフォームを通したサービス展開などで協力していく。
WeShareは現在、ベルリンとハンブルクで純粋な電気自動車のVW「ID.3」、「ID.4」を計約2,000台、投入しており、ユーザー数は20万人を超えている。
MILESは現在、ベルリン、ボン、デュッセルドルフ、デュースブルク、ハンブルク、ケルン、ミュンヘン、ポツダムの8都市でカーシェアリング事業を展開している。2022年秋にはベルギーのブリュッセルとゲントの2都市が加わり、計10都市となる。保有車両は9,000台超で、うちVWグループの車両が全体の約70%を占めている。
VWグループは今回の発表に際し、MILESがVWグループ傘下ブランドであるアウディ、セアト/クプラ、VW(乗用車)の純粋な電気自動車を1万台以上、調達すると発表した。VWグループは2023年から納車を開始する予定。
VWグループが主導する企業連合は先ごろ、仏レンタカー大手のヨーロッパカーを買収した。企業連合には、VWグループのほか、ロンドンの資産管理会社アテスターとオランダのモビリティプロバイダーのポン・ホールディングが参加している。
企業連合は、ヨーロッパカーの事業基盤を活用し、同社を新しい革新的なサービスを提供するモビリティ・プラットフォームへと発展させていく方針であり、外部企業とも連携していく意向を示している。VWグループによると、MILESも将来的に、当該プラットフォームを通してサービスを展開していく見通し。