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2022/11/4

一般・その他

ガス価格の上限設定は平行線、11月24日に次回会合

この記事の要約

欧州連合(EU)加盟国は10月25日、ルクセンブルクでエネルギー相会合を開き、天然ガスの価格に上限を設ける案について協議したが、合意形成には至らなかった。加盟国は11月24日に臨時会合を開き、再びこの問題について討議する […]

欧州連合(EU)加盟国は10月25日、ルクセンブルクでエネルギー相会合を開き、天然ガスの価格に上限を設ける案について協議したが、合意形成には至らなかった。加盟国は11月24日に臨時会合を開き、再びこの問題について討議する。次回会合ではガス価格の上限設定に加え、先に欧州委員会が提案した天然ガスの共同購入や、液化天然ガス(LNG)を含めた欧州ガス市場の状況をより正確に反映する新たな指標の開発なども取り上げ、実施に向けた具体策を検討する。

EU議長国チェコのスィーケラ産業・貿易相は会議後の記者会見で「市場がパニックに陥った際に過度の価格上昇を抑制するダイナミックなメカニズム」を導入する方向で、加盟国から幅広い支持を得ていると説明。欧州委のシムソン委員(エネルギー政策担当)は、11月の次回会合までに合意形成に向けた「次のステップを用意する」と述べ、近く具体的な価格上限の設定方法などを提案する考えを示した。

10月20~21日のEU首脳会議では、欧州委が18日に発表したエネルギー価格高騰への総合対策を土台に協議が行われ、総括文書は「過度な価格上昇を制限するための一時的な措置」を導入する方針を明記した。そのうえで、発電用の天然ガスに限定して価格上限を設定した場合の費用対効果を分析する必要があるとし、上限設定によるガス価格の低下がガス消費の増加につながる可能性などについて検討するよう欧州委に求めた。

ロイター通信によると、欧州委は既にスペインとポルトガルで導入されている発電用ガスを対象とする上限価格の設定について分析を行い、価格が抑制されることで域内のガス消費が増える可能性があるとの結論を導いたもようだ。欧州委はEU全域でガス価格の上限設定に踏み切った場合、域内でガス需要が最大で90億立方メートル増加する可能性があると試算。電力が英国やスイスなどEU域外に輸出されないようにする措置も必要になると指摘している。

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