仏タイヤ大手のミシュランは15日、農業トラクター用タイヤ「EVOBIB」シリーズの新製品を発売したと発表した。同シリーズは農業用タイヤとして初めて、接地面や用途に合わせて走行中に空気圧を調整できる「セントラル・タイヤインフレーションシステム(CTIS)」を採用しており、舗装路と非舗装路・田畑の両方に対応できるのが特徴。畑では空気圧を下げてタイヤの接地面を広げることで地面への圧力を分散でき、舗装路を走る際は逆に空気圧を上げて走行安定性を高められる。
骨格層(カーカス)には「プレッシャー・フィールド・オペレーション(PFO)」と呼ばれる技術を採用して耐荷重性を高めている。カーカスの弾力性を高める独自技術「ウルトラフレックス・テクノロジー」を導入し、畑などでは通常よりも空気圧を下げてタイヤの接地面を広げて地面への圧力を分散できるようにしている。公道など舗装路では、接地面積を最小化することで転がり抵抗を軽減する。
同社によると、接地面積(フットプリント)の差は舗装路と畑で最大47%に上る。この数値はCTISを採用している同社の超高屈曲(VF)タイヤ「AXIOBIB 2」の2倍にあたる。また、競合のVFタイヤ製品よりも牽引能力が15%向上するほか、燃料消費量は走行1時間当たり2リットル少ないという。
サイズは現在、200馬力と300馬力のトラクター向けにVF710/70R42とVF600/70R30の2種類を展開する。今年10月から300馬力以上のトラクター向けにVF650/60R34、VF650/65R34、VF710/75R42の3種類を追加投入する予定。