独高級車メーカーのBMWは国外生産の比率を現在の約30%から約40%へ引き上げる方針だ。同社のフランクペーター・アルント生産担当取締役が独日刊紙『南ドイツ新聞』(3月1日付)に明らかにした。国外に生産を移管するのではなく、中国、インド、米国など成長市場での現地生産を強化するためと説明した。
\自動車市場の成長は地域よってばらつきがあり、足元の欧州は今年、マイナス成長となる見通し。独紙によると、業界アナリストは前年比で最大15%(200万台)の後退を予想している。BMWは年間販売を現在の約130万台から、2016年に160万台、2020年には200万台に引き上げる計画で、販売のけん引役は中国やインドなど欧州域外の市場となる見通し。
\BMWは中国で、2番目の工場を2010年に着工、2012年に生産を開始する計画。米国では、サウスカロライナ州にあるスパータンバーグ工場を拡張し、同工場の年産能力を16万台から中期的に24万台に引き上げる。カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナル傘下の自動車受託生産メーカー、マグナ・シュタイヤー(グラーツ、オーストリア)に生産委託していた小型オフロード車「X3」は、次期モデルから米国の自社工場で生産する。
\成長市場での生産強化は、現地需要の拡大に対応するとともに、為替相場の変動による影響を回避する狙いもある。
\『南ドイツ新聞』紙によると、BMW以外のドイツの高級車メーカーの国外生産比率は、メルセデス・ベンツが約20%、独フォルクスワーゲン傘下のアウディは20%以下にとどまっている。
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