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2010/3/5

企業情報 - 自動車メーカー

ダイムラー、BYDと中国市場向けEVを共同開発

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーは、中国のバッテリー・自動車メーカー、比亜迪汽車(BYD)と中国市場向けの電気自動車を共同で開発すると発表、1日に両社が趣意書に署名した。中国に技術センターを設け、開発や試験などを行う。共同開発し […]

独自動車大手のダイムラーは、中国のバッテリー・自動車メーカー、比亜迪汽車(BYD)と中国市場向けの電気自動車を共同で開発すると発表、1日に両社が趣意書に署名した。中国に技術センターを設け、開発や試験などを行う。共同開発した電気自動車は新ブランドを立ち上げて販売する計画。新ブランドはBYDの現行モデルより上位に、ダイムラーのラインアップより下位に位置づける予定。

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ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は今回の提携について、両社のノウハウの統合により、世界最大の自動車市場である中国において将来の電気自動車市場の成長がビジネスチャンスとなるとの抱負を語った。

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ダイムラーはこれまでに、超小型車ブランド、スマートの電気自動車やメルセデス・ベンツ「Aクラス」の電気自動車などの開発を進めてきた。

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一方、BYDは1995年にバッテリーメーカーとして事業を開始、2003年に自動車事業にも参入した。これまでにプラグインハイブリッド車「F3 DM」や電気自動車「e6」を開発している。

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両社は今後、協力分野を拡大する可能性についても協議することで合意している。

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■ 独専門家、ダイムラーの戦略を評価

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ドイツの自動車経済研究所のヴィリー・ディエツ所長は独経済紙『ハンデルスブラット』に対し今回の提携について、BYDは産業界の評価も高く、資金面で中国政府の強力な支援を受けており、開発の余力は大きいとして、ダイムラーの戦略を評価した。また、中国の大都市では電気自動車に対して高い潜在需要があり、同国が米国とともに世界のEV市場をけん引するとの見解も示した。

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ただ、中国に開発センターを設ける計画については、電気自動車のノウハウがドイツではなく中国に集まることへの懸念を示している。

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■ BYD、2011年後半に欧州市場に参入へ

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BYDは2011年後半にも欧州市場に参入する計画だ。同社の輸出部門を統括するHenry Li氏が開催中のジュネーブモーターショーで明らかにした。イタリアとスイスではすでに輸入業者と契約しており、ドイツでも複数のディーラーと協議しているという。

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ジュネーブモーターショーに出展した電気自動車「e6」は、リン酸鉄系のリチウムイオン電池を搭載し、最大330kmの航続距離を誇る。最高時速は140km、停止した状態から時速100kmに加速する時間は14秒となっている。

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