日産自動車は、クロスオーバーSUV「ムラーノ」をサンクトペテルブルク工場で2011年から生産する。11日付のロシア経済紙『ベドモスチ』が同社代表の話として伝えた。「ムラーノ」の日本国外での生産は初めて。生産規模は「市場動向による」として明らかにしなかったという。
\日産は日本から部品を輸入し、サンクトペテルブルク工場でまず組立作業のみ行う。将来的には部品の現地調達を拡大する方針で、すでに調査を始めたとしている。同社はまた、ロシアの自動車販売市場が着実に回復していくとみて、サンクトペテルブルク工場の従業員を今年末までに現在の850人から1,450人に増員する。
\「ムラーノ」は人気車種だが、ロシアでの新車販売価格が180万ルーブル以上と高価なことから昨年の販売は1,493台と、日産のモデルのなかでは8番目だった。ただ、同じSUVの「キャシュカイ(日本名:「デュアリス」)」が英国で生産されていることや、「ムラーノ」の車台がすでに同工場で生産している高級セダン「ティアナ」と同一であることなどから、「ムラーノ」のロシア生産を決めたとみられる。モスクワ銀行のアナリスト、リャーミン氏は「日産はサンクトペテルブルク工場を高級車の生産拠点とし、低価格帯の車種は提携するアフトワズの工場で生産する意向がある」と同社の狙いを分析している。
\日産は昨年6月にサンクトペテルブルク工場を開設。『ベドモスチ』紙によると、「ティアナ」とSUV「エクストレイル」を昨年は約8,000台生産、今年は2万台を予定している。同社の1-2月のロシア新車販売は6,315台にとどまり、前年同期比で54%減に落ち込んだ。(1RUB=3.1JPY)
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