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2010/4/9

企業情報 - 自動車メーカー

ルノー・日産とダイムラー、戦略提携で合意

この記事の要約

ルノー・日産アライアンスとダイムラーはブリュッセルで7日、戦略提携および資本提携について合意したと発表した。電気自動車を含む次世代小型車の開発や、乗用車および小・中型商用車でのエンジンの共有化などで協力し、開発・生産コス […]

ルノー・日産アライアンスとダイムラーはブリュッセルで7日、戦略提携および資本提携について合意したと発表した。電気自動車を含む次世代小型車の開発や、乗用車および小・中型商用車でのエンジンの共有化などで協力し、開発・生産コストを大幅に削減する。資本提携ではそれぞれ3.1%を出資する。

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ダイムラーのディーター・チェッチェ社長は今回の戦略提携について、「小型車やコンパクトカーでの競争力を迅速かつ長期的に強化するもので、二酸化炭素(CO2)排出量も削減できる。設計構造を共有しながら各ブランドの特性を製品に生かすことは可能であり、ブランドのアイデンティティーには影響ない」と説明した。

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ルノー・日産のカルロス・ゴーン社長は、「提携では豊富な経験を持っている」としたうえで、製品ラインアップの拡充やより効率的な開発が可能になるとの見解を示した。

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■ 小型車のプラットフォームを共有

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小型車では、ダイムラーの超小型車ブランド、スマートの2人乗り「フォーツー」とルノーの「トゥインゴ」の次世代モデルおよび新たに開発するスマートの4人乗りモデルでプラットフォームを共有する。共同開発車の市場投入は2013年以降となる予定。発売当初から電気自動車バージョンも用意する計画だ。生産は、スマートの2人乗りモデルをダイムラーがフランスのハンバッハに持つスマート工場が、4人乗りモデルはルノーがスロベニアに持つノボ・メスト工場がそれぞれ担当する。

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■ エンジンを相互供給

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駆動装置の分野では、ディーゼルおよびガソリンエンジンの相互供給により、それぞれのラインアップを強化して競争力を高めるほか、生産規模の拡大により工場の稼働率を向上させる。

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具体的には、ダイムラーはルノー・日産アライアンスから3気筒、4気筒のディーゼルおよびガソリンエンジンの供給を受け、ダイムラーの製品仕様に適応させる。これにより、ダイムラーはプレミアム・コンパクトカーのラインアップを拡充して販売を強化する戦略。ルノー・日産にとっては工場の稼働率が改善する利点がある。

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一方、ダイムラーは現行の4気筒、6気筒のディーゼルおよびガソリンエンジンを日産の高級車ブランド、インフィニティに供給する予定。

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このほか、3社は次世代のディーゼルおよびガソリンエンジンを共同開発する計画で、詳細は今後詰めていくとしている。

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■ 小型・中型商用車でも協力

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3社はさらに小型・中型の商用車生産でも協力することで合意した。ダイムラーはバンに2012年から新しいエントリーモデルを投入する計画で、主に法人の配達業務部門などに需要があると見込む。新モデルではルノーの技術を生かす計画で、フランンスのモーブージュにあるルノー工場で生産する。

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中型商用車ではダイムラーの「ヴィト(Vito)」向けにルノー・日産から小型ディーゼルエンジンや駆動装置の供給を受け、ラインアップを拡充する。

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■ 資本提携

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ダイムラーはルノーから新規発行株式の3.1%と、ルノーが保有する日産の発行済み株式の3.1%を取得する。一方、ルノーはダイムラーが持つ自社株から3.1%を取得する。ルノーはダイムラーの株式の1.55%を日産の株式の2%と交換することで日産と合意しており、これによりルノーと日産はそれぞれ、ダイムラーの株式の1.55%を保有することになる。

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3社は今後さらに協力の可能性を模索していく方針で、◇高級車部門のメルセデスベンツとインフィニティでモジュールや部品を共有する◇米国、中国、日本などの地域で日産、インフィニティ、ダイムラーが相互協力する◇電気自動車やバッテリー開発で技術協力する――などを視野に入れている。

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