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2010/4/16

総合 – 自動車産業ニュース

資源大手が鉄鉱石を不当値上げ、欧州鉄鋼連盟がEUに苦情

この記事の要約

欧州鉄鋼メーカーの業界団体である欧州鉄鋼連盟(EUROFER)は3月31日、資源大手のBHPビリトン、リオ・ティント(英豪)、ヴァーレ(ブラジル)が鉄鉱石価格を不当に引き上げているとして、欧州委員会に苦情を申し立てた。ア […]

欧州鉄鋼メーカーの業界団体である欧州鉄鋼連盟(EUROFER)は3月31日、資源大手のBHPビリトン、リオ・ティント(英豪)、ヴァーレ(ブラジル)が鉄鉱石価格を不当に引き上げているとして、欧州委員会に苦情を申し立てた。アジアでの鉄鋼需要増大を背景とした大幅値上げについて、強力な市場支配力を悪用したもので、EU競争法違反にあたると主張し、EUによる対応を求めている。

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今回の動きは、BHPビリトンとヴァーレが日本、中国の鉄鋼メーカーとの価格交渉で、年間固定価格方式を廃止して四半期ごとに価格を決める方式とすることで合意したのが引き金。新方式により鉄鉱石価格はスポット価格をより反映するようになるため、最大で2倍に上昇するとみられている。

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アルセロールミタル(ルクセンブルク)、独ティッセンクルップなどが加盟する欧州鉄鋼連盟は声明で、資源大手が鉄鋼メーカーに圧力をかけ、不当な価格調整を行っているのは明らかと指摘。このままでは欧州の鉄鋼生産が混乱して幅広い産業部門が悪影響を受け、雇用問題にもつながると主張している。

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欧州鉄鋼連盟は欧州機械・電気・電子・金属加工産業連盟(ORGALIME)と共同で苦情を申し立てた。このほか、欧州自動車工業会(ACEA)も同日、鉄鉱石大手3社の価格方式変更を「過剰な値上げで、しかも価格を予測できない」と批判し、EUの介入を求める声明を出した。

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欧州鉄鋼連盟は、BHPビリトンとリオ・ティントが豪州西部の鉄鉱石事業を統合する計画をめぐり、市場寡占を招いて競争を阻害するとして苦情を申し立てた経緯がある。同問題については欧州委が苦情に基づき、1月から本格調査を行っている。

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