インドの複合企業Kalyaniグループが欧州で企業買収を計画している。同社のBaba Kalyani社長が25日付の独経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにした。中核事業である自動車部品への依存度を引き下げるため、同分野以外での買収を検討しているという。
\Kalyaniグループは自動車部品・非自動車部品、鉄鋼、エネルギー、特殊化学の4事業を柱とする。独紙によると、自動車部品の柱となる子会社Bharat Forgeの売上高はグループ全体(2009/10年:約24億米ドル、3月末決算)の70%を占めている。同社は金融危機による自動車市場の低迷で自動車事業が大きな打撃を受けた経験を踏まえ、将来は同社の売り上げ比率を全体の5割以下に引き下げる方針という。
\その他の事業拡大に向けては、高い技術力を持つ一方、財務に問題を抱える欧州企業の買収を狙っている。Kalyani社長は具体的な計画についてコメントは控えたものの、インド政府が電力分野への投資を強化しているため、エネルギー関連企業の買収は今後の事業拡大の追い風となるとの見方を示した。同分野ではこれまでにフランスのアルストムと2008年末に発電所のタービンを製造するジョイントベンチャーを設立したほか、ドイツでも2007年に風力発電のエンジニアリング会社を買収し、同国のヴィスマールに風力発電用のタービン工場を建設している。
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