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2010/6/11

一般・技術・その他 (旧)

独アウディ、信号と自動車の通信システムを開発

この記事の要約

独高級車メーカーのアウディが交通信号機と自動車の通信システム「Travolution」を開発している。赤信号でひっかからないように速度を調節したり、赤から青信号に変るまでの残り時間を表示することでスムーズなスタートを促し […]

独高級車メーカーのアウディが交通信号機と自動車の通信システム「Travolution」を開発している。赤信号でひっかからないように速度を調節したり、赤から青信号に変るまでの残り時間を表示することでスムーズなスタートを促し、燃費改善や安全運転を促すことが目的。同社によると、乗用車が赤信号で停止すると発進の際に燃料を約0.02リットル消費し、二酸化炭素(CO2)を約5グラム排出する。独技術情報サイト『ATZ Online』が報じた。

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アウディは同プロジェクトを2006年に開始した。本社のあるインゴルシュタット市で現在、「A4オールロードクワトロ」13台、「Q5」2台の計15台と信号機25基を使用して実用試験を実施している。

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25基の信号機のうち、10基は無線LANにより周辺に信号を発信する。残り15基は町の中心部にあるサーバーに埋設ケーブルを通して接続している。一方、ドライバーは欧州の第3世代移動通信システムUMTSを経由して信号を受信するほか、無線LANアンテナも装備している。

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ドライバーはディスプレーに表示される適切な速度を参考にするほか、車間自動制御システム(ACC:アダプティブ・クルーズ・コントロール)を使用して自動で速度調整することもできる。また、同システムでは赤信号で停止した際に、青信号に変るまでの残り時間をディスプレーに表示し、ドライバーのイライラを軽減したり、青信号に気づかず発進が遅れ、後続車のドライバーを苛立たせるような事態を回避する。黄信号や赤信号にもかかわらず交差点を曲がろうとすると、ランプや警告音で知らせるほか、軽くブレーキがかかり、ドライバーに停止を促す。当局によると、ドイツでは約30万件の信号無視が記録されている。また、信号無視による負傷事故は年約7,500件、死亡事故は約100件を数える。

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