軽金属部品メーカーのホンゼルは25日、アルンスベルク区裁判所に会社更生手続きの適用を申請した。事業再建に向けて債権銀行などと協議を進めてきたが合意できず、資金繰りに行き詰った。今後はコスト構造などを見直し、事業の継続を目指す。
同社はアルミニウムやマグネシウムを素材とするシリンダーキャップ、エンジンブロック、ギアボックスカバー、車体や車台の部品などを生産している。2009年度(3月末締め)の売上高は約5億4,000万ユーロ、従業員数は約3,800人だった。
同社は1908年の設立。2004年に米プライベート・エクイティのカーライルに買収された後、米競合リップルウッドの子会社リップルウッド・ホールディングス・ジャパン・インターナショナル(RHJI)に売却された経緯がある。
ホンゼルは2009年春にも経営危機に陥ったが、債権者が債権を株式化して同社に49%を出資する形で債務超過を解消し、財務改善を図った経緯がある。その際、RHJIは過半数出資(51%)を維持するため、5,000万ユーロを新たに出資。これによりホンゼルは経営危機を乗り切ったが、今回の交渉では債権銀行などと合意できなかった。