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2010/11/5

企業情報 - 自動車メーカー

VW「UP」、2011年のIAAで発表=独紙

この記事の要約

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は2011年9月のフランクフルトモーターショー(IAA)で新小型車「アップ(Up)」を発表し、同年末にも販売を開始するもようだ。独業界紙『オートモビルボッヘ』が同社に近い筋か […]

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は2011年9月のフランクフルトモーターショー(IAA)で新小型車「アップ(Up)」を発表し、同年末にも販売を開始するもようだ。独業界紙『オートモビルボッヘ』が同社に近い筋から得た情報として報じた。当初は3ドアの4人乗りモデルとなり、3気筒エンジンを搭載する見通し。価格は約1万ユーロを予定しているという。

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VWのウルリッヒ・ハーケンベルク開発担当取締役はUpの開発進捗状況について同紙に対し、「現在、プロトタイプ開発の最後の段階にある」と説明、間もなく量産化に入ることができるとの見通しを示した。同モデルはスロバキアのブラチスラバ工場で生産する計画。

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同紙によると、VWはUpシリーズでは将来、5ドアの発売やデュアルクラッチトランスミッションの採用も計画しているもよう。2013年には電気自動車を発売する計画もあると見られている。

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■ Upは前輪駆動に方針転換

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VWはUpの試作車にリヤエンジン・後輪駆動を採用していたが、販売モデルはフロントエンジン・前輪駆動に方針転換した。ハーケンベルク取締役は同措置について、「フロントエンジンであれば、Upより上位のポロクラスともエンジンを共通化できる」と理由を説明している。

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『オートモビルボッヘ』紙では、後部にエンジンを搭載すると、追突事故の危険に備えて車台を強化する必要があり、生産コストが高くなることも方針転換の一因と指摘している。

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同取締役は、Upにさらに小型の2気筒エンジンを搭載する可能性については、「3気筒エンジンもいいエンジンだ」と述べるにとどめ、コメントを控えた。

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独『アウト・モートア・ウント・シュポルト』誌によると、Upでは当初、現行のVW「ポロ」に搭載されている1.2リットル3気筒エンジン(70~80PS)が採用される見通し。将来は0.8リットルの新型2気筒ターボエンジンを搭載したガソリン車(約70PS)およびディーゼル車(51PS)を投入する方針と見られている。同2気筒エンジンは2009年12月のロサンゼルスモーターショーに出展したコンセプトカー「Up Lite」に搭載されていた。

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欧州自動車メーカーでは、伊フィアットが「500」に2気筒エンジンを採用している。同モデルの二酸化炭素(CO2)排出量は95グラム/kmに抑えられている。

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気筒数が少なくなると、部品点数も少なくなるため、生産コストが抑えられるほか、二酸化炭素(CO2)排出量を低減できる利点もある。

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