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2010/11/12

企業情報 - 部品メーカー

SB LiMotive、フィアット「500EV」にリチウムイオン電池を供給

この記事の要約

独自動車部品大手ロバート・ボッシュとサムスンの子会社サムスンSDIによる合弁会社SB LiMotiveは8日、伊フィアットと提携先の米クライスラーが2012年から米国市場で発売予定の電気自動車(EV)、フィアット「500 […]

独自動車部品大手ロバート・ボッシュとサムスンの子会社サムスンSDIによる合弁会社SB LiMotiveは8日、伊フィアットと提携先の米クライスラーが2012年から米国市場で発売予定の電気自動車(EV)、フィアット「500EV」にリチウムイオン電池を供給すると発表した。

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フィアットとクライスラーは、500EVの開発本部を米ミシガン州オーバン・ヒルズにあるクライスラー・グループの本社に置いている。駆動装置およびエネルギー制御装置の開発をクライスラー本社で行い、リチウムイオン電池はSB LiMotiveから調達する。価格や技術スペックの詳細については今後、発表する予定。

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SB LiMotiveの発表によると、同社はバッテリーパックを米ミシガン州のオリオンで開発し、セルは韓国にあるSB LiMotiveの工場で生産する。最終的なバッテリーパックの組み立ては米オハイオ州のスプリングボロで行うという。

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SB LiMotiveはボッシュとサムスンSDIが折半出資で設立、2008年9月に事業を開始した。同合弁会社では、サムスンSDIがリチウムイオン電池セルの量産化や製造に関するノウハウを持つ一方、ボッシュはリチウムイオン電池の自動車への統合に関する技術を持つ。

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■ 韓国ウルサン工場でリチウムイオン電池セルの生産開始

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SB LiMotiveは10日、韓国のウルサンに建設していた新工場を稼働させたと発表した。同工場では、ハイブリッド車および電気自動車(EV)用のリチウムイオン電池セルを生産する。現在はパイロット生産だが、来年から本格的な量産を開始する。生産能力は2015年までにEV約18万台分に相当する年4ギガワット時に引き上げる計画という。

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新工場は2009年9月に着工、約9カ月で完成した。生産面積は約3万4,000平方メートルで、従業員数は将来、約1,000人となる見通し。

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同社はすでに、フィアットのほか、独高級車メーカーのBMWからも受注を確保している。BMWは2013年にEV「メガシティ・ビークル」を市場投入するほか、2011年にはEV「ActiveE」を使用した実用走行試験を実施する予定。

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