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2010/11/19

総合 – 自動車産業ニュース

産業施設の汚染物質排出規制、加盟国承認で年内発効へ

この記事の要約

欧州連合(EU)加盟国は8日の閣僚理事会で、域内の産業施設から排出される汚染物質を規制するための指令案を承認した。エネルギー、金属、化学、廃棄物処理など幅広い分野の産業施設について、利用可能な最善技術(BAT)の導入状況 […]

欧州連合(EU)加盟国は8日の閣僚理事会で、域内の産業施設から排出される汚染物質を規制するための指令案を承認した。エネルギー、金属、化学、廃棄物処理など幅広い分野の産業施設について、利用可能な最善技術(BAT)の導入状況を許認可プロセスにおける判断基準とすることや、人体や動物、環境に深刻な影響を及ぼす有毒ガスやばい塵に新たな排出基準を設けることなどが柱。指令案はすでに欧州議会で承認されており、年内にも発効する見通し。加盟国は新ルールに沿って2年以内に国内法を整備することが求められる。

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EU内では重工業分野を中心に、約5万2,000の施設が産業汚染に関する規制の対象となっているが、業種などによってルールが細分化されているため許認可の手続きが煩雑で、企業と監督当局の双方にとって大きな負担になっている。また、現行ルールにはさまざまな例外規定があり、多くの施設が厳しい規制を免れて操業している状況にある。欧州委員会はこうした現状を踏まえ、2007年12月に大気、水、土壌に対する汚染物質の排出を総合的に管理する「総合的汚染防止管理(IPPC)指令」(1996年制定)など7つの指令を統合したうえで、特定の業種や汚染物質について規制を強化するための新たな法案を打ち出した。

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新制度では技術面や地域的条件などにより、BATの導入に過度のコストがかかる場合を除き、規制の対象となるすべての施設にBATに基づく排出基準の順守が義務づけられる。また、規制対象となる施設の許認可プロセスでは、BATの実施に必要な技術情報をまとめた「決定文書(BAT conclusion)」に基づいて審査が行われる。

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一方、発電所や石油精製所などの大規模燃焼施設から排出される硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばい塵に対し、BATに基づいて新たな排出基準が設けられ、新規施設は2012年、既存施設は16年までに基準値の順守が義務づけられる。ただし、現時点で23年までに閉鎖することが決まっている施設と、16年以降の稼働時間が年間1万7,500時間を下回る施設は規制の適用が免除される。

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