独自動車大手のダイムラーは18日、メルセデス・ベンツの「Bクラス」をベースに開発した燃料電池車「Bクラス Fセル」の実証走行試験を米国のカリフォルニア州で実施する計画を発表した。年内にもレンタル形式で一部の顧客に供給を開始し、2012年には計約70台に規模を拡大する。レンタル期間は最大36カ月。同社は2015年までに燃料電池車を量産化する方針を示している。
\Bクラス Fセルは出力136PSの電気モーターを搭載し、1回の燃料供給による航続距離は400kmとなっている。駆動装置が冷めた状態から始動させるコールドスタートでは、マイナス25度まで対応している。
\カリフォルニア州には現在、水素燃料を供給するスタンドが5カ所ある。年内に新たに4カ所が開設されるほか、サンフランシスコのベイエリアにもスタンドが一カ所設置される予定。米国政府はすでに、水素燃料のインフラ整備に2,700万ドルの予算を確保している。2011年にはさらに1,400万ドルを追加投資する見通し。
\ダイムラーは2004年から米国で、「Aクラス」をベースにした燃料電池車「Aクラス Fセル」の実証走行試験を実施してきた。Bクラス FセルのシステムはAクラス Fセルに比べ約40%小型化したほか、走行性能や燃費が約30%向上しているという。
\ダイムラーはこのほか、燃料電池車の商用化に向けて、自動車メーカーや電力会社、公的機関、エンジニアリング会社などが参加するカリフォルニア燃料電池パートナーシップ(CaFCP)に参加するほか、米国燃料電池協議会(U.S. Fuel Cell Council:USFCC)と全米水素協会(National Hydrogen Association:NHA)が2010年10月に組織統合して新設された燃料電池・水素エネルギー協議会(Fuel Cell)にも加盟している。
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