独排ガス処理システムメーカーのフリードリヒ・ボイゼンは19日、独技術開発サービス会社のベルトラントに資本参加したと発表した。同社の資本の24.99%を保有する独バーデン・ビュルテンベルク州立銀行(LBBW)の投資子会社から14.9%を取得した。ボイゼンはベルトラントの資本を長期的に保持し、協力関係を構築していきたいとの抱負を示している。
\ベルトラントは自動車の車体や内装、エンジン、電気・電子部品などの開発サービスを展開している。欧州自動車メーカーを主な取引先とするほか、航空宇宙産業向けにもサービスを提供している。2008/09年度(9月末決算)の売上高は3億8,500万ユーロ、従業員数は約5,400人。同社には独高級スポーツカーメーカーのポルシェが25.1%出資している。このほか、従業員や経営幹部が10%を出資、残り40%は分散保有となっている。
\ \■ ボイゼン、商用車事業の強化や非自動車事業への参入を計画
\ \ボイゼンは主に乗用車向けにディーゼル微粒子除去フィルターやマフラー、触媒式排ガス浄化装置などを製造しているが、今後は商用車向けにも製品ラインを広げるほか、自動車以外の新規分野への参入も検討している。
\乗用車メーカーは排ガス規制の強化を受けて燃費改善や二酸化炭素(CO2)排出量の削減を強化するためエンジンの小型化を進めていることから、同社では排ガス処理システムの付加価値が相対的に低下すると見込んでいる。また、電気自動車の普及が進めば、従来の内燃エンジンに搭載する排ガス処理システムの需要は後退する見通し。
\同社ではこのほど完成した新しい試験棟に1,800万ユーロを投じて非自動車分野の開発プロジェクトに対応できる設備を投入した。
\同社の2009年の売上高は6億3,400万ユーロ。今年は7億ユーロを超える見通し。従業員数は約1,800人。ドイツのほか、フランス、インド、米国、中国に工場を持つ。主な取引先は独乗用車メーカーのアウディ、BMW、ダイムラー、ポルシェ、フォルクスワーゲン、独商用車メーカーのMANなど。
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