欧州自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)はパイロットプロジェクトとして2011年1月からスペインでディーラー管理システムにクラウドコンピューティングを導入する。情報技術(IT)システムのスリム化とコスト削減が主な狙い。クラウスハーディー・ミューレック最高情報責任者(CIO)が独マインツでこのほど開催された独ソフトウエア大手SAP主催のシンポジウムで明らかにした。新システムは導入地域を段階的に広げ、2015年までに世界の21市場で採用する計画としている。
\新システムではVWディーラーが活用するITシステムのフロントエンドを1つとし、各販売地域特有のシステムと連携させることにしている。同措置によりVWディーラーはコストを削減でき、VWグループ全体にとってもグループブランドの連携によるマーケティングを強化できるようになるという。
\ミューレックCIOによると、VWグループではインターネットを通して年約8,000万件の顧客アクセスがある。この数は将来、年1億件を超える見通し。新システムではネットを通した顧客との接点をより効果的にマーケティングに生かせるようになるという。
\VWは新システムの導入に合わせて、本社のあるヴォルフスブルクなどで大型コンピュータセンターを建設している。ディーラーが利用するアプリケーションは複数の拠点で管理する体制をとる。例えば、アフターセールスはカッセル、盗難防止システムはインゴルシュタットの事業所が担当している。
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