ドイツテレコムとドイツ技術協力公社(GTZ)は11月24日、発展途上国や新興国の都市部における自動車の排ガス削減プロジェクトで協力すると発表した。第3世代移動通信システム(3GおよびUMTS)をベースにした通信技術を活用して交通状況を把握し、走行ルートの変更などによる渋滞解消や二酸化炭素(CO2)排出量の削減にデータを活用する。上海と北京でパイロットプロジェクトを実施し、将来はアジア、南米、アフリカ諸国にプロジェクトを拡大する計画だ。
\ドイツテレコムとGTZのシステムは既存の情報技術や移動通信技術、人口衛星による位置情報を活用したもので、車両を改造するなどの大がかりな手間がかからない利点がある。
\今回のプロジェクトに先駆けて中国の上海万博で実施したプロジェクトでは、シャトルバス50台に特殊なソフトウエアを装備したスマートフォンを投入し、走行ルートや加速・減速データなどを収集、温室効果ガスの排出量(カーボンフットプリント)を分析した。
\同システムの活用により、輸送事業者や環境当局はスマートフォンやノートパソコン、ナビゲーションシステムを通してドライバーに燃費効率の良い走行ルートを指示するなどの対策が可能になる。渋滞の解消や排ガスの削減により都市部の生活環境が改善するほか、輸送事業者や当局は排出権取引などで新たな収益源を確保することもできる。
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