ドイツ人工知能研究所(DFKI)は2月13~16日に米カリフォルニア州のパロアルトで開催されるインテリジェント・ユーザー・インターフェイス(IUI)会議で、指の動きで窓の上げ下げやCDプレーヤーなどを操作できるシステム「Geremin」を発表する。現時点ではまだ自動車メーカーと交渉しておらず、実用可能性に関する研究にとどまっているという。
\DFKIの研究チームは、ロシアの物理学者レフ・セルゲーエヴィチ・テルミンが1919年に発明した電子楽器「テルミン」の原理を活用し、さらに改良を加えた。テルミンは静電容量の違いを利用した楽器で、手の動きで音量や音程を操作できる。
\DFKIが開発中のGereminは、ダッシュボードに設置されたアンテナが指の動きを認識する。例えば、指を左右に振ったり、円や三角を描いたりして窓を開け閉めしたり、シードの暖房やCDプレーヤーのスイッチを入れることができる。
\プロトタイプの認識率は平均64%。新型プロトタイプではさらに向上する見通し。心理学者の協力も得て、利用者のニーズなどを分析しているという。
\今後の研究では主に、指の動きの認識が課題となるという。例えば、指を偶然あるいは意図的に動かしたかどうか、また、どの時点から指の動きを認識するかといった問題がある。解決策としては、指を大きく広げたり、音声やスイッチボタンで認識の開始を合図する方法などが検討されているという。
\また、配置や安全性についても研究しており、ブレーキやアクセルといった基本的な運転操作には使用しないほか、カーブでは同機能を作動させない方針としている。
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