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2011/4/1

総合 – 自動車産業ニュース

震災の影響、欧州部品メーカーにも

この記事の要約

日本の大震災の影響が欧州の部品メーカーの業績に影響を及ぼすとの見方が出ている。米格付け会社のムーディーズはこのほどまとめたレポートの中で、(日本からの)部品調達が難航していることから日本メーカーが欧州や米国の工場で生産規 […]

日本の大震災の影響が欧州の部品メーカーの業績に影響を及ぼすとの見方が出ている。米格付け会社のムーディーズはこのほどまとめたレポートの中で、(日本からの)部品調達が難航していることから日本メーカーが欧州や米国の工場で生産規模を落としているため、取引関係のある欧州の部品メーカーは2011年4-6月期の業績に影響が表れると予想している。ただし、生産体制が回復すれば生産の後れを取り戻すための増産により、業績の落ち込みはある程度相殺される可能性もあるとしている。

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欧州自動車メーカーでは、仏PSAプジョー・シトロエンが3月23日からディーゼルエンジンの生産を停止するなど影響が出ていたが、同社は28日、3月末から生産が徐々に正常化する見通しを明らかにした。

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■ 日本からの輸入部品に放射能検査

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本誌の取材によると、欧州自動車メーカーでは欧州に工場を持つ日系部品メーカーに対し、日本から輸入した部品には放射能検査を実施することを求める動きが出始めている。また、欧州域内からの部品調達を拡大し、輸入の割合を引き下げる動きもあるようだ。

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しかし、本誌の取材に応じた日系部品メーカーの幹部は今後の見通しについて、日本メーカーの技術力は高く、これまでもドルショックや石油危機などの大きな困難を乗り越えてきた経験を持つなど、日本人には底力があるとし、日本の製造業の未来に強い希望と期待感を示した。

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■ 独化学大手、特殊塗料の供給に影響

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独製薬・化学大手のメルクは3月26日、福島第一原発から約45km離れたところにある工場の生産を停止したことを明らかにした。同工場では自動車の塗料に使う顔料を生産している。従業員約160人やその家族の安全に配慮した措置で、再開の時期は未定としている。

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同工場では塗料に光るようなグリッター感や透明感を与える効果のある顔料「シラリック(Xirallic)」を生産している。同顔料の生産設備は日本にしかなく、海外工場では対応が困難と説明している。

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