2011/4/29

総合 – 自動車産業ニュース

EU共通特許の実施規則案を発表、翻訳費用の補填措置など柱

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、域内共通の単一特許制度を導入に向け、出願から交付までの手続きや出願書類の翻訳に関するルールを定めた規則案を発表した。欧州議会とEU加盟国はすでにイタリアとスペインを除く加盟25カ国が […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、域内共通の単一特許制度を導入に向け、出願から交付までの手続きや出願書類の翻訳に関するルールを定めた規則案を発表した。欧州議会とEU加盟国はすでにイタリアとスペインを除く加盟25カ国がEU共通特許を先行導入する構想を正式に承認しており、欧州委が新制度への移行に向けて具体的なルール作りを進めていた。規則案は今後、欧州議会と閣僚理事会で検討される。

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現在EUで特許を取得する仕組みとしては、各国で出願して個別に審査を受ける方法と、欧州特許庁(EPO)に出願して「欧州特許」を取得する方法があるが、欧州特許も最終的な認可権限は各国の特許庁が握っているため、出願人は特許を取得したい国の制度に合わせてそれぞれ書類を用意しなければならず、翻訳などの費用が企業にとって大きな負担になっている。これに対し、新たに創設されるEU特許では1つの言語で出願すれば済むため手続きが大幅に簡素化され、認可されれば同制度に参加するすべてのEU加盟国で同じ効力を持つ特許を取得することができる。

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ただ、EU特許の導入にあたり、使用言語をEPOの公用語である英語、仏語、独語の3言語とする案をめぐり、自国言語が選択肢から除外されることに難色を示すスペインとイタリアの強い反発で調整が難航。紆余曲折の末、加盟国は3月、加盟国のうち9カ国以上の「有志」による先行統合を認める仕組みを活用し、EU特許を支持する25カ国で新制度を導入することで最終合意した。

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規則案によると、EU特許はいずれの言語でも出願が可能だが、審査のため英仏独のいずれか1言語への翻訳が必要となる。また特許取得後は、特許請求の範囲(クレーム)が他の2言語(たとえば英語で出願した場合は仏語と独語)に翻訳される。さらにすべての利害関係者が特許文献にアクセスしやすくするため、最大12年の移行期間を置いて、仏語または独語で付与された特許関連の資料は英語に、英語で交付されたものについては仏語と独語に翻訳される。欧州委は新制度の導入により、これら3言語を母語とする国以外のEU企業が不利益を受けることのないよう、一連の翻訳にかかる費用を域内に拠点を置くすべての特許出願人が共同で補填する仕組みの導入を提案している。

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欧州委によると、現在のところEU27カ国で有効な特許をするための費用はおよそ3万2,000ユーロに上り、このうち関連書類の翻訳費用が2万3,000ユーロを占めている。これに対し、1つの言語ですべての手続きが完了する新制度では、最終的に特許登録にかかる費用は680ユーロ程度で収まると試算されている。

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