独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が洋上風力発電事業への参入に向けて複数の風力発電事業者と交渉しているもようだ。8月26日付けの『フィナンシャルタイムズ(ドイツ版)』や同日付けの独週刊誌『フォーカス』(電子版)などが報じた。
\メディア報道によると、VWは洋上風力発電パークに資本参加することにより、自動車生産で使用するエネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を引き上げて環境負荷を低減するほか、2013年に発売予定の電気自動車(EV)を再生可能エネルギー由来の電力とパッケージで販売することを検討しているもようだ。
\VWグループではアウディが今年5月、再生可能エネルギーとエコカーの連携を目指す大型プロジェクト「Audi balanced mobility」の計画概要を発表した。同プロジェクトの中核を担う「eガスプロジェクト」では、洋上風力発電による電力をEVの生産工程に利用するほか、アウディのEV向けに供給する計画。また、水素とメタンガスを製造するプラントを建設し、同社が開発中の燃料電池車や天然ガス車(CNG)に供給することを計画している。
\ドイツの自動車メーカーではBMWも再生可能エネルギー事業への投資を強化している。同社は独炭素製品大手のSGLグループと設立した合弁会社が米国に建設する炭素繊維の工場で、水力発電による電力を使用する。また、独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、ドイツのライプチヒ工場では、2013年に予定する電気自動車「i3」および「i8」の生産開始に合わせて、同工場に風力発電設備4基を設置することを計画している。
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