オペルのレンジエクステンダーEV「アンペラ」がこのほど、欧州の代表的な衝突安全テストである欧州自動車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)で最高評価の5つ星を獲得した。ユーロNCAPの衝突テストは、乗員保護、歩行者保護、安全補助装置の項目で実施され、日本や米国の基準とほぼ同じ、世界で最も厳しい条件が課される。アンペラは、成人乗員保護性能が30ポイント、子ども乗員保護性能が38ポイント、歩行者保護性能が15ポイント、安全補助装置の有無が6ポイントで、合計ポイントは89ポイントとなり、総合評価で5つ星を獲得した。なお、最高評価の5つ星を獲得するためには、85ポイント以上が必要とされる。
\アンベラは米ゼネラルモーターズ(GM)のレンジエクステンダーEV「ボルト」の姉妹車で、最高出力は111kW(150hp)、最大トルクは37.7kg-m。電力は16kWhの蓄電容量をもつリチウムイオン・バッテリーから供給される。バッテリーの残量が少なくなると、1.4リッターの小型ガソリンエンジンが始動し、モーターへの電力供給とバッテリーの充電を行う。バッテリーは230ボルトの家庭用電源から充電ができる。航続距離は、リチウムイオン・バッテリーの電気駆動のみで40~80キロメートル(ドライバーの運転技術や地形、天候などによる)。エンジンでジェネレーターを回せば500キロメートル以上走行できる。
\ \■ ユーロNCAP、2012年から歩行者保護性能の基準を厳格化
\ \ユーロNCAPでは、2012年から歩行者保護性能のカテゴリーで5つ星を取得できる基準を厳格化する。従来はスコアの40%以上を獲得すると5つ星の評価が得られたが、2012年からはこれを60%に引き上げる。
\8月に同テストを受けたモデルのうち60%に達したモデルはなく、最高はフォルクスワーゲン(VW)「ジェッタ」の56%だった。アウディ「A6」、ボクソール「アンぺラ」、シトロエン「DS5」もそれぞれ、41%、41%、40%のスコアで、来年からの基準では5つ星を取得できなくなる。
\