電気自動車の使用済み電池を定置用電池に再利用する分散型電源に関する研究開発プロジェクト。欧州5カ国の10パートナーが参加して実施している。最新の情報通信技術(ICT)を投入して、再生可能エネルギーの有効利用やスマートグリッド(次世代送電網)との連携に定置用電池を活用する。欧州6カ所に定置用電池を設置してパイロットプロジェクトを実施している。
同プロジェクトの実施期間は2015年4月1日~2018年3月31日。フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、英国の5カ国からルノー、日産、英ゲーツヘッド大学など、10の企業・機関が参加している。
仏ブイグ(Bouygues Energies & Services)が調整役を務め、定置用電池にはルノー「カングー Z.E.」と日産「リーフ」の使用済み電池を使用している。
同プロジェクトでは、工場や大型オフィス、住居用建物、自治体などで、定置用電池の導入により建物や地域のエネルギー管理を最適化できるシステムの構築を目指している。パイロットプロジェクトでは、オフィスや住宅地域など様々な場所に定置用電池を設置している。
2016年10月27日にはパリで、プロジェクトの中間報告会を開き、6拠点での運用状況などについて報告した。
プロジェクト予算は1,314万4,250万ユーロ。うち、欧州連合(EU)が研究開発・イノベーション促進のための基本計画「ホライズン2020」の枠組みから約986万ユーロを資金支援している。