欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2014/7/4

クローズアップ

ElectroGraph

この記事の要約

欧州連合(EU)が第7次研究枠組み計画(FP7)の枠組みで支援する電気二重層コンデンサ(スーパー・キャパシタ)の研究開発プロジェクト。ナノカーボン材料であるグラフェンをベースにした電極の採用により蓄電容量を大幅に拡大する […]

欧州連合(EU)が第7次研究枠組み計画(FP7)の枠組みで支援する電気二重層コンデンサ(スーパー・キャパシタ)の研究開発プロジェクト。ナノカーボン材料であるグラフェンをベースにした電極の採用により蓄電容量を大幅に拡大する研究に取り組んだ。

実施期間は2011年6月1月〜2014年5月31日までの3年間。調整役のドイツのフラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(IPA)のほか、英国のノッティンガム大学(英国)、フランスのパリ・ディドロ大学(パリ第7大学)、イタリアのフィアット研究センターなどが参加した。予算は約500万ユーロで、EUはこのうち約360万ユーロを支援した。

キャパシタのエネルギー密度を高めるためには電極の表面積を広げる必要があるが、グラフェンの表面積は1グラム当たり最大2,600平方メートルと、従来材料の活性炭(100〜800平方メートル/グラム)に比べ大幅に広く、導電性にも優れる利点がある。

研究チームはグラフェンを用いた電極層の間にイオン液体を電解液として用いる構造により、蓄電容量を75%拡大することができたという。

研究チームはスーパーキャパシタを自動車に分散配置し、空調機器やナビゲーションシステム、サイドミラーの制御などに活用できると説明している。具体例として5月にフラウンホーファー研究所(IPA)で実施したワークショップでは、ソーラーセルとスーパーキャパシタを組み合わせたシステムをサイドミラーに組み込み、自家発電でサイドミラーを制御するシステムを紹介した。

COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |