独小型建機大手のワッカー・ノイソンが開発した電動ホイールローダー。同社にとって初めての電動ホイールローダーで、駆動システム用と油圧操舵用の2基の電気モーターを搭載する。バケット容量は0.2立方メートル。同社によると、電動のため環境負荷が小さく、音も静かである一方、従来のディーゼル燃料モデル「WL20」と同水準の性能を確保しているという。3気筒エンジンを搭載したWL20の出力は18.5kW。
WL20eは作動中に二酸化炭素(CO2)を排出せず、音も静かなため、ワッカー・ノイソンはWL20eの投入分野の例として、都市部での建設工事や、温室、既存の建物の修繕、駐車場などの屋内作業を挙げている。エネルギーコストを50%近く削減できるほか、部品点数がこれまでより少なく、消耗品の交換も減ることから、保守作業の手間やコスト負担を軽減できるとしている。
充電池は鉛酸蓄電池を搭載する。フル充電での稼働時間は最大5時間。短い距離の貨物輸送など従来モデルの典型的な作業では十分な稼働時間という。電池はボンネット下に配置されており、通常の建設現場にある400ボルトの電源から充電できる。
全長2.19メートル、幅1メートルのコンパクトな設計で、運転質量は2,300キログラムとなっている。
ワッカー・ノイソンはミュンヘンに本社を置く。2014年の売上高は約11億6,000万ユーロ。世界に約4,200人(2014年3月時点)の従業員を持つ。