プロスペクト・プロジェクト

交通弱者(VRU:Vulnerable Road User)の安全向上に取り組む共同プロジェクト。中でも、死亡者数の多い歩行者と自転車利用者に重点を置いている。計17パートナーが参加しており、スペインのエンジニアリング・自動車検査法人イディアダ・オートモーティブ・テクノロジーが調整役を務める。2015年5月6~7日にはスペインで、キックオフミーティングが開催された。実施期間は3年間。

自動車メーカーでは、アウディ、BMW、ダイムラー、トヨタ・モーター・ヨーロッパ、ボルボ・カーズが参加している。これらの自動車メーカーは現在、VRUを保護するための自動緊急ブレーキ(AEB)システムを採用しており、次世代AEBシステムの市場投入に意欲を示している。

同プロジェクトでは、VRU安全システムを改善するため、VRUシナリオの理解向上とシステム性能の改善の2方向からアプローチする。

事故分析、センサー処理、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)、ドライバー警告システム、車両制御、試験装置、機能試験、ユーザー・アクセプタンス、有効性の分析など、幅広い分野を対象としている。

研究成果は、シミュレーションや車両実証試験に取り入れていく。また、試験には、最新のダミーモデルを使用して現実的な交通状況下で実施する計画。さらに、同プロジェクトで研究した試験方法は、欧州の自動車安全評価機関ユーロNCAPにも提案していく意向を示している。

同プロジェクトでは、具体的には、以下の5点を主な目的に挙げている:

・VRU事故シナリオの理解向上

・VRUセンシングと状況分析の改善

・高度なHMIと車両制御戦略

・車両4台によるデモンストレーション、可搬型のドライビングシミュレータ、現実的な自転車ダミーモデルを使用した検証および有効性の分析

・現実的な交通シナリオでのテスト、およびユーザーの受け入れ試験(アクセプタンススタディ)

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