オーストリアの研究機関バーチャル・ビークルが開発した自動車開発用のシミュレーションプラットフォーム。一部の機器をシミュレーションで表示し、実際の装置とバーチャル装置を組み合わせたシミュレーションが可能という。また、様々な領域を連携させたモデリングやシミュレーションが可能なため、自動車の開発速度を高め、コストを低減することができるという。
このシミュレーションプラットフォームはすでに、独高級車メーカーのBMWやポルシェの研究プロジェクトに導入されており、BMWはすでにICOSを活用して開発した新しい自動ブレーキシステムを量産車に搭載しているという。
バーチャル・ビークルは5月6日、オーストリアのエンジニア会社エイヴェル・リスト(AVL List)と同シミュレーションプラットフォームの商用化に向けた共同開発およびエイヴェル・リストによる世界市場での独占販売について合意したと発表した。エイヴェル・リストは同社のシミュレーションツールIODP(Integrated and Open Development Platform)の一環としてICOSを販売していく。
バーチャル・ビークル(従業員数:約200人)はオーストリア政府や欧州連合(EU)が支援する研究開発プロジェクトに参加しており、150社を超える世界の産業パートナーや、30を超える大学・研究機関と協力している。国内ではグラーツ工科大学やエイヴェル・リスト、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルのオーストリア子会社であるマグナ・シュタイヤーなどと協力関係を築いてきた。