オーストリアのケーブルメーカー。自動車用電線やエレベーター、エスカレーター用のケーブルなどを製造・販売している。1940年創業の同族会社で、現在は世界13カ所に拠点を持つ。従業員数は約4,000人。8月末には中国初の工場を遼寧省瀋陽市に開設した。
創業当初は、原材料や半製品の商社を事業としていたが、1940年代にジャンパワイヤや抵抗ワイヤーのメーカーに転向した。1970年代には自動車産業にも参入し、その後、エレベーター向けの製品やアルミ製バッテリーケーブル、太陽光発電設備用のワイヤーなどに製品の幅を広げていった。
2008年にはオーストリアのポイスドルフに自社の研究開発センターを開設。2010年代には事業の国際化を推進し、米国とドイツに営業拠点を開設したほか、インド、モルドバ、メキシコ、スロバキアに工場を建設した。
中国への生産進出は、独自動車大手BMW向け製品の現地生産が理由。すでに別のドイツメーカーからも受注を獲得した。今後は中国の自動車メーカーにも取引を拡大していく方針を示している。
瀋陽市の工場の面積は現在、約3,000平方メートルで、従業員約150人が勤務している。2021年には生産面積および従業員数を2倍に拡大する計画。また、現地市場のニーズに迅速に対応するため、中国で開発業務も行う意向。
2017/2018年度(3月末締め)の売上高は4億3,000万~4億5,000万ユーロを見込んでいる。2019/2020年度には5億ユーロの達成を目指す。欧州とメキシコにおける事業が好調なため、売上高に占める中国事業の割合は今後3年は10%以下にとどまる見通し。