独自動車大手のダイムラーが新しい事業モデルなどのイノベーションを推進するために設置した組織。名前は、ダイムラーグループの礎を築いたゴットリープ・ダイムラーが1886年にドイツのカンシュタットのガレージで最初の1気筒エンジンを開発したことに由来する。
同氏は当時勤務していたガスエンジンメーカーのドイツで、小型エンジンの開発を提案したが採用されなかったことから、自らエンジンの開発に取り組んだとされる。
このような背景も踏まえて、ダイムラーはスタートアップ企業のような性格を持った組織を社内に立ち上げ、新しいアイデアの受け皿を設けるとともに、事業化に向けた取り組みを支援するシステムを構築した。大企業としてのノウハウと、スタートアップ企業が持つスピードなどの特徴を組み合わせる狙いがある。
ダイムラーは、2007年に「ダイムラー・ビジネス・イノベーション」の部署名でこのような組織を発足、カーシェアリングサービス「Car2Go」の事業化などに成功している。
現在は、「Lab 1886」に組織名を変え、ドイツのシュツットガルトとベルリンのほか、中国の北京、カリフォルニア州のサニーベールにも拠点を設けている。