スウェーデンのイエーテボリで2013年から実施している持続可能な交通・都市開発に関する政産学の連携プロジェクト。電気バスを路線バスに試験導入し、新しいサービスや事業モデルの開発、都市計画などに生かしていく。
イエーテボリ市のほか、スウェーデンのチャルマース工科大学、商用車大手のボルボ・グループ、通信機器大手のエリクソンなどが参加している。
2015年6月には、イエーテボリの路線バス55番のルートのうち、チャルマース工科大学のキャンパス間(ヨハンネベリ~リンドホルメン)で電気バス3台が運行を開始した。電気バスは、再生可能エネルギーを動力源とする。また、同路線では、電気バスに加え、ハイブリッドバスも運行している。
リンドホルメン・サイエンスパークにある停留所は屋内(インドア)式となっている。有害物質を排出しないエミッションフリーの電気バスでは、屋内に停留所を設置するなど新しい可能性が広がる。
当該プロジェクトではこのほか、新しいサービスに対する利用者の反応や、走行音が静かな電気バスが歩行者などの他の交通参加者にどのような影響を及ぼすかなどを調査・分析し、研究成果を今後の都市開発やルート計画などに反映させていく。
試験期間は当初、2018年末までを計画していたが、さらに電気バスを増やして2020年まで継続する。
世界一周ヨットレース「ボルボ・オーシャンレース」がイエーテボリを通過する2018年6月に、電気連結バスのプロトタイプ2台を路線バス16番に導入する計画で、充電インフラや停留所なども整備する。
当該プロジェクトではさらに、公共交通輸送の改善に寄与する新しいサービスや製品を開発・試験するためのプラットフォームも立ち上げた。例えば、新しい停留所のコンセプトや交通マネジメントシステム、安全コンセプト、エネルギー供給システム、エネルギー貯蔵システムなどのテーマに取り組む。