欧州連合(EU)が第7次研究枠組み計画(FP7)を通して支援する自動車用リチウムイオン電池の共同開発プロジェクト。部品や生産工程の開発により、より低コストで環境負荷の低いリチウムイオン電池の開発に取り組む。
プロジェクトには、スペイン、オーストリア、ドイツ、スイス、イタリア、アイルランド、フランスの欧州7カ国から15社・機関が参加している(9社、3研究機関、3大学)。調整役はスペインの研究機関IK4- CIDETECが務める。
実施期間は2011年11月~2015年10月まで。予算総額約860万ユーロのうち、EUは560万ユーロを支援している。
同プロジェクトでは、電極、セルの組み立て、バッテリーモジュールの組み立ての3カテゴリーに分けて開発に取り組み、最終的にパイロットラインで電池を生産し、電気自動車に搭載して試験することを目指した。
具体的には、
化学物質の使用を減らしたより環境にやさしいバッテリー材料の開発
電極の生産におけるコストと環境負荷を低減するための革新的なプロセスの開発(電極製造における水性スラリーの使用)
セルの生産におけるコストと時間を短縮するための新しい生産工程の開発(レーザー切断や接着工程など)
モジュールおよびバッテリーパックの生産の自動化によるコストおよび時間の短縮
バッテリーモジュールの組み立ておよびリサイクルを目的とした分解を容易にするデザインの開発
廃棄物の削減(モジュール化およびリサイクルが可能な部材の開発)
――などに取り組んでいる。