ジャストインタイム(JIT)生産方式の物流システムに電気駆動車の導入を試みるドイツの実証試験プロジェクト。電気駆動のトラックけん引車2台を自動車分野の物流システムに投入し、経済性や投入分野の可能性、新しいビジネスモデル、今後の課題などを調査・分析する。
電気駆動車の投入により、自動車工場周辺の二酸化炭素(CO2)排出量の削減や騒音低減を目指す。
実施期間は2016年1月~2018年12月までの3年間。ドイツのエンジニアリング会社IAV 、物流会社のシュネルエッケ・ロジスティクス、自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)とポルシェ、ザクセン州の自動車サプライヤーネットワーク(AMZザクセン)が参加している。
当該プロジェクトでは、40トンのトラックけん引車を独ザクセン州のツヴィッカウにあるVWザクセンと同州ライプチヒにあるポルシェ・ライプチヒの物流業務にそれぞれ試験導入する。
ツヴィッカウでは、高低差のある連邦道を時速60~80キロメートルの比較的高速度で走行する。ライプチヒでは、平坦な都市部での走行が中心となる。また、ライプチヒでは、2018年半ばから高度自動運転システムの実証試験も実施する計画。
けん引車両はそれぞれ、定格出力280キロワット、最大出力320キロワットの電気駆動システムを搭載する。車載電池の容量は144キロワット時。最高速度は時速85キロメートルで、一回のフル充電で最大70キロメートルを走行することができる。