独自動車大手BMWなどが参加する自動車用燃料電池システムの開発プロジェクト。新しい部品や次世代の技術コンセプトの開発などに取り組む。
燃料電池車は、従来の内燃エンジン車に比べ価格が高いなどの問題がある。同プロジェクトでは、燃料電池車の普及促進に向けて、コンパクトで高性能かつ低コストの車両のフロント部分に組み込むタイプの燃料電池システムを開発する。
同プロジェクトは、ドイツ連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)やドイツ水素・燃料電池国家組織(NOW)が支援している。
当該プロジェクトには、BMWの国内のサプライヤーネットワークを基盤とするコンソーシアムが参加する。これにより、プロジェクトのノウハウがドイツおよび欧州域内の価値連鎖(バリューチェーン)の構築や量産モデルプロジェクトに生かせるようにする。
プロジェクトには、BMWのほか、独自動車部品メーカーのピーアブルク、エルリングクリンガー、ジーゲン大学、カナダの自動車部品大手マグナ傘下のドイツ法人マグナ・テレモーティブが参加している。
例えば、ピーアブルクは、燃料電池で消費されなかった水素をスタックに還元するためのブロワーを開発する。当該部品は、燃料電池の効率を高め、寿命を延ばす効果がある。また、水素をセル内に均一に分散させ、コールドスタートの作動を改善することもできる。ピーアブルクは、低電圧のバリエーションと最大800ボルトの高電圧のバリエーションを開発している。