仏自動車大手のルノー・グループと燃料電池システムや水素関連サービスを事業とする米プラグ・パワーがこのほど折半出資でフランスに設立した合弁会社。燃料電池を搭載した小型商用車のほか、水素充填設備、再生可能エネルギー由来のグリーン水素の供給、メンテナンス・サービスなど、包括的な製品・サービスを提供し、事業者における燃料電池車の利用を促進する。2030年までに、欧州の小型商用車(LCV)市場における燃料電池車で30%を超えるシェア獲得を目指す。両社は今年1月、同合弁を設立する計画について覚書(MOU)を締結していた。
合弁会社の社名は、水素(hydrogen)を意味する「HY」とラテン語で「道」を意味する「VIA」を組み合わせており、低炭素モビリティの新しい道を切り開くという同社の志を表現している。
同合弁は2021年末に、ルノー「マスター」をベースにした燃料電池車を欧州で市場投入する予定。水素充填設備やグリーン水素も供給する。
同合弁が提供する車両は、水素の充電にかかる時間が約3分で、一回のフル充填で500キロメートルを走行することができる。
合弁会社は、フランスに下記の4拠点を持つ:
本社機能と研究開発チームは、ルノー・グループの小型商用車の技術・開発センターのあるヴィリエール=サン=フレデリックに拠点を置く。
プロセス・生産・物流チームは、パリ近郊のフランを拠点とし、2021年末までに燃料電池セルと水素充填設備の組み立てを開始する予定。
ルノー「マスター」をベースにした最初の燃料電池車の組み立ては、フランス北東部のバチイイ工場で行う。
燃料電池セルの組み込みは、2017年からルノー・グループの子会社でグレ=ザルマンヴィリエールに拠点を置くPVIが担当する。