ドイツ航空宇宙センター(DLR)の自動車コンセプト研究所が10月1日に発表した小型電動車のプロトタイプ。車両クラス「L7e」に該当する2人乗りの小型車で、軽量で安全性に優れる特徴を持つ。
全長は3.80メートル、空気抵抗を低減するため車高は低くした。車体には発泡状の樹脂を金属の表面で挟んだサンドイッチ構造の素材を使用している。車両の前後は当該プレートで構成されており、衝突時に衝撃を吸収するクラッシュゾーンの役割を担う。今後はサンドイッチ構造の部材の生産技術を改良していく方針。ボディの重量は約90キログラム。車両の重量は約450キログラムとなっている。
駆動装置は、定格出力8.5キロワットの小型燃料電池を車載電池(25キロワット)と組み合わせたハイブリットシステムで、従来の車載電池よりも軽い。2座席の間に39リットルの水素タンクを配置しており、700バールの水素タンクに1.6キログラムの水素を充填する。航続距離は約400キロメートル、最高速度は時速120キロメートル。燃料電池から発生する熱は車内の暖房に活用している。
当該モデルは例えば、都市部や郊外における通勤、公共交通機関における補足的な移動手段、カーシェアリングなどに利用できると見込んでいる。