高速道路の情報表示システムを活用し、自動車の有害物質排出量や騒音の低減を試みるドイツの研究プロジェクト。制限速度や渋滞情報、追い越し禁止などをドライバーに指示す表示板を活用し、交通の流れを不要に制限せずに環境負荷を低減するシステムを研究する。
当該プロジェクトでは、既存のプロジェクト「U-SARAH」を通して実施したシミュレーションで得られた知見を活用する。人工知能(AI)を活用して既存のデータ情報を分析し、受容モデル(どのように表示が認識されるか)、予測モデル(交通状況の予測)、環境要素をシミュレーションに取り入れる。また、開発した交通制御システムを実際の道路インフラで実証試験し、環境負荷が低減したかを計測・分析する。
プロジェクトの調整役は、カールスルーエ技術研究所(KIT)が務める。このほか、ヘッセン州の道路・交通管理局(Hessen Mobil)やKITのスピンオフ企業であるEDI GmbHなどがプロジェクトに参加する。
プロジェクトの実施期間は2020年6月から2023年5月までの3年。予算約144万ユーロのうち、ドイツ連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)が75%(約110万ユーロ)を資金支援する。