2010/1/25

環境・通信・その他

仏炭素税、修正法案提出に向け調整へ

この記事の要約

フランス政府は20日、昨年12月末に憲法評議会が違憲との判断を下し、年初からの実施を見送った炭素税の修正案について、導入による影響が大きい業界との協議を2月から開始すると発表した。環境省との協議には、企業のほか労組や環境 […]

フランス政府は20日、昨年12月末に憲法評議会が違憲との判断を下し、年初からの実施を見送った炭素税の修正案について、導入による影響が大きい業界との協議を2月から開始すると発表した。環境省との協議には、企業のほか労組や環境関連の民間非営利団体が参加する。今年7月1日の導入を目指し、数カ月内に修正法案を国会に提出する方針だ。

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修正法案では、当初案で免税対象とされていた大規模排出施設の火力発電所、石油精製所、セメント工場など1,018の事業所が課税対象となる見込み。また、二酸化炭素(CO2)1トンあたり17ユーロとしていた税率は維持する一方、「エネルギー集約型だが慎重な扱いを必要とする」として、農業および漁業分野の税率を4.3%程度、運輸業を11%程度とする優遇措置が採用される見通しだ。一般世帯に対する政府補助は、当初案の通り盛り込まれるもよう。

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サルコジ大統領が環境対策の目玉として導入を強力に推進してきた炭素税だが、世論の意見は分かれており、最近の調査では国民の過半数が実施に反対している。また、産業界からは「EU域内におけるフランスの競争力を維持するため、導入は域内で一致して行うのが得策。当面は見送るべき」との見方が示されている。

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