2010/2/8

産業・貿易

クロマグロの国際取引、仏が全面禁止を支持

この記事の要約

フランス政府は3日、絶滅の恐れがあるとされる大西洋産と地中海産のクロマグロの国際取引禁止措置を支持する方針を明らかにした。「18カ月の猶予期間」を置くことを条件に、ワシントン条約に基づき商取引の全面禁止を求めるモナコの提 […]

フランス政府は3日、絶滅の恐れがあるとされる大西洋産と地中海産のクロマグロの国際取引禁止措置を支持する方針を明らかにした。「18カ月の猶予期間」を置くことを条件に、ワシントン条約に基づき商取引の全面禁止を求めるモナコの提案に同意するとしている。イタリアやスペインと並んで欧州の主要なクロマグロの漁業国であるフランスの決定を受け、EUが取引禁止の方針を打ち出す公算が大きくなった。

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ボルロー環境相は会見で「難しい判断だったが、必要な措置だ」と強調。猶予期間を置く理由については、取引禁止に踏み切る前の段階で、学術調査を通じて正確な資源状況を把握するとともに、影響を受ける漁業関係者への対応を検討する必要があるためと説明した。

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フランスでは約200隻がクロマグロ漁に従事している。発表を受け、漁業組合の幹部は「大きなショックを受けた」とコメント。早急にサルコジ大統領と面会し、方針の見直しを求める意向を示した。

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一方、環境保護団体グリーンピースは仏政府が提案している18カ月の猶予期間を問題視し、「クロマグロが絶滅するのを待つようなものだ」と批判している。

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クロマグロの商取引禁止は3月にカタールで開かれるワシントン条約締約国会議で中心的な議題となる見通し。EUは同会議までに共通の立場を明らかにする必要があるが、これまでスペインなどと同じく取引容認の姿勢を示していたフランスの方針転換により、加盟国が全面禁止で一致するとの見方が強まっている。国際取引が禁止された場合、世界でとれるクロマグロの約8割を消費する日本は大きな影響を受けることになる。

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