2010/2/8

産業・貿易

中国がEUをWTO提訴、靴へのダンピング措置継続めぐり

この記事の要約

中国政府は4日、EUが中国製の革靴に反ダンピング措置を継続しているのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴した。双方は紛争処理手続きの第一段階として、60日間を期限に当事者間協議を行うが、主張は真っ向から対立しており […]

中国政府は4日、EUが中国製の革靴に反ダンピング措置を継続しているのは不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴した。双方は紛争処理手続きの第一段階として、60日間を期限に当事者間協議を行うが、主張は真っ向から対立しており、WTOの紛争処理小委員会(パネル)での本格的な紛争に発展するのは確実だ。

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EUは中国とベトナムの革靴メーカーが革靴を不当な安値で輸出し、域内のメーカーに打撃を与えているとして、2006年10月から中国製に最大16.5%、ベトナム製に10%の反ダンピング税を課している。昨年12月には、同措置の15カ月延長を決めた。

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中国商務省の報道官は、EUの措置を保護主義的と批判。「EUの反ダンピング調査とその結果はWTOルールに違反するもので、中国企業の正当な権利と利益を侵害している」と主張した。

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これに対して欧州委員会の報道官は、「反ダンピング措置の発動は、中国がダンピングをしていることを示す明白な証拠に基づいたもの」と反論し、対決姿勢を露わにした。ただ、EUの措置をめぐっては、域内の小売業団体や中国に生産拠点のある大手靴メーカーが反発しているほか、加盟国の中でも賛否が分かれている。15カ月延長の可否をめぐる協議では、伝統的な靴生産国であるイタリアなど14カ国が支持した一方、英国、オランダ、スウェーデンなど13カ国が反対に回り、僅差で延長が決まった経緯がある。

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中国がEUをWTO提訴するのは、金属ねじ、ボルトに対する反ダンピング措置を不服として昨年7月に提訴したケースに続き2例目となる。

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