2010/2/8

欧州ビジネスウオッチ

デクシア銀が事業3割削減、公的支援の代償で

この記事の要約

仏・ベルギー系大手銀行デクシアは5日、事業を3割削減すると発表した。金融危機で受けた公的支援の代償としてEUから迫られたリストラの一環。2014年までに事業の35%を削減する。\ 削減対象となるのは、イタリア、スペイン、 […]

仏・ベルギー系大手銀行デクシアは5日、事業を3割削減すると発表した。金融危機で受けた公的支援の代償としてEUから迫られたリストラの一環。2014年までに事業の35%を削減する。

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削減対象となるのは、イタリア、スペイン、スロバキアで展開する事業と、トルコの保険事業。向こう4年間で段階的に手放す。

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EU内外の地方自治体への融資を中核業務とするデクシアは、米サブプライムローン問題で大きな打撃を受け、リーマンショックをきっかけに資金繰りが急速に悪化。ベルギー、フランス、ルクセンブルクの3カ国は2008年9月末に64億ユーロの公的資金注入を決め、さらに10月には新規の借り入れに対する最大1,500億ユーロの信用保証供与も打ち出した。

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EUでは今回の金融危機に絡んだ銀行救済について、公的支援が健全な競争を阻害しないことや、支援対象の銀行が長期的に存続可能な再建策をまとめることなどを承認の条件としている。デクシア支援は08年11月に緊急措置として承認されたが、なお再建策をまとめて承認を得る必要がある。

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デクシアは昨年1月、従業員の3%削減、自治体融資への集中、自己勘定売買の中止を柱とするリストラ策をまとめたが、欧州委員会は不十分として難色を示し、デクシアが一部事業の売却を迫られるのは必至とみられていた。

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欧州委は現在、新体制への移行期間にあるため、デクシアの新たなリストラ計画に対する判断を先送りするが、離任直前のクルース競争政策担当委員は「十分な内容」と評価しており、次期委員候補のアルムニア氏(現経済通貨問題担当委員)の就任を待って正式承認する見通しだ。

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