2010/2/22

総合 –EUウオッチャー

ECB次期副総裁をポルトガル確保、総裁人事でドイツ有利に

この記事の要約

ユーロ圏16カ国は15日開いた財務相会合で、欧州中央銀行(ECB)の次期副総裁に現ポルトガル中銀総裁のコンスタンシオ氏(66)を指名した。コンスタンシオ氏は同人事が3月のEU首脳会議で承認されれば、5月末で任期が切れるパ […]

ユーロ圏16カ国は15日開いた財務相会合で、欧州中央銀行(ECB)の次期副総裁に現ポルトガル中銀総裁のコンスタンシオ氏(66)を指名した。コンスタンシオ氏は同人事が3月のEU首脳会議で承認されれば、5月末で任期が切れるパパデモス副総裁の後任としてECBナンバー2のポストに就く。これに伴い、ECB次期総裁ポストはドイツが確保することが有望となった。

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今回の副総裁人事では、コンスタンシオ氏とルクセンブルク中銀総裁のメルシュ氏が有力候補だったが、16カ国の財務相は全会一致でコンスタンシオ氏を支持した。

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EUではECB総裁、副総裁の人事について、地域のバランスを重視して決めるのが慣例となっており、南欧諸国とそれ以外の国が両ポストを分け合う形となっている。このため、2011年10月に退任するトリシェ総裁の後任を占う動きとして、副総裁選びに注目が集まっていた。

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次期総裁のポストを争うとみられているのはドイツとイタリア。副総裁を南欧のポルトガルが射止めたことで、ドイツが有利な状況となってきた。同国が推すウェーバー独連銀総裁がインフレ抑制を最優先して利上げに積極的な“タカ派”とされるのに対して、コンスタンシオ氏が経済成長を優先する“ハト派”と称されていることも、バランスの点で好ましいとの見方が出ている。

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